2013年07月08日

ヴァーチャルどこでもドア

Take me somewhere else...

ここではないどこかへ連れてって。


「 ヴァーチャルどこでもドア -The Secret Door- 」

※行き先の希望は受け付けません
The Secret Door

The Secret Door is presented by Safestyle UK

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2010年08月03日

週末と終末の別れ道 @ 高柄山

中央線にいつもと逆のホームから乗車し、夏を感じに。

週末の気軽な旅、これも中央線の魅力です。

高尾からさらに中央本線甲府行きに乗り換え、四方津駅(山梨県)へ。

今回週末のリフレッシュを楽しむ山は、高柄山(たかつかやま―733m)。

昨年の富士山の時のT郎とともに。

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通路を抜けると、そこはもう山でした。

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ひさしぶりの山の匂い。

やっぱり山はいい。

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ルートを間違え、行き止まりのトンネルへ。

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しばし灼熱の太陽を避け、風を感じられる山の優しさ。

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高柄山 山頂着。

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T郎作、マーボー豆腐&親子丼は上出来。

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一応、記念撮影。

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ただ...

実はこの時すでに2人とも消耗し切っていました。

それもそのはず、この高柄山、

T郎の持っている 「関東の山あるき100選」 の中で “健脚向” に設定されているらしいです。

この本では関東近郊の山を 【健脚向28】 【一般向61】 【家族向11】 に分類していて、

高柄山は 【健脚=上級者向】 の中でも1000m以下でランクされている唯一の山なのです。

ちなみに富士山は 【一般向】 に設定されています。

つまり、たった733mだからといってナメきって、運動不足の解消と気分転換程度の週末の娯楽として

この30℃を超える猛暑の中、気軽に臨むような山ではなかったのです。

どうりでほとんど人と出会わないわけだ。

この話を登っている途中にT郎から聞き、なぜ最初に言わねえんだ!とキレそうになりました。



でも、もう登ってきちゃいました。

山は登ったら下りなければいけません。

ここから、週末と終末の別れ道に向かうことになります。

帰りの写真は一枚もありません。

それどころじゃなかったからです。



この高柄山、登りでも感じましたが、とにかく道が悪い。

そして登ったと思えば急に下り、そしてまた登るという激しいアップダウンの繰り返し。何十回も...

たとえば富士山のように道も良く、登るなら登る、下るなら下るという意識ではいられません。

本当に、精神的にまいるような道のりです。

そして、容赦ない陽射し。

山頂を出て30分くらいで頭が熱くボーっとしてきました。こういうのが熱中症というのでは、と思いました。

気分が悪く、こまめに休憩し水を取りながら、ひたすら歩きます。

ボーっとしてるからといって、一歩踏み外せば落ちていくような道も多く気が抜けません。

前方を歩くT郎もかなりしんどいはずなのに、気分を盛り上げようとサッカー部時代の声出しをしています。

「おーぃ、がんばろーぜーぃ」 というそのテキトーな掛け声に、気分の悪いおれはイラっとしっぱなしでした。

ふつうに 「うるせえ!」 とも言いました。

『落石注意』 という看板のある場所で、上から石をぶん投げてやろうかとも思いました。

人の優しさとか気遣いって、時と場合によっちゃ逆効果なんですね。



2人とも本気でヤバイと思い始めたのは、水が底を突きかけている中で、

下るべき道が再び急な上りになった時でした。

せっかくかなり下ってきたのに、また頂上を目指すかのような道のりに変わったのです。

さすがにこの時は2人とも顔を見合わせ、「ここまできて道間違えたのか?」 と絶望を感じたものです。

でも、もう戻って確認するような体力も残っていません。

後から話してわかったことは、T郎はこの時、山での夜や生死について想像していたそうです。

おれはおれで “遭難” の二文字が頭を過ぎり、110番かけたら山梨の管轄に直接つながるんだろうか、

などと本気で考えていました。



それから間もなくして、2人の水は底を突くことになります。

たった733mだと甘く考えていたのと、昼飯のマーボー豆腐で無駄に水を消費したことも原因のひとつです。

本当にもう、ダメかと思いました。



そんな時、水の流れる音が!

嬉しくて転げるように下りていくと、どこからか湧き出ている水が流れています。

頭が熱くておかしくなりそうだったおれは、真っ先に頭を冷やしました。

本当に、幸せな瞬間でした。

喉の渇きも限界でしたが、手ですくってみたその水は明らかに茶色く濁っています。

微生物や泥やなんやらがいっぱい雑じっているはずです。

正直ためらったおれは、隣でT郎が無我夢中でその水を飲んでいるのを目撃し、

極限状態の人間の姿を見た気がしました。

結局おれは一口だけその水を飲み、あとはいざという時のためにペットボトルに汲んでおきました。

T郎は1リットル近く飲んだそうです。

生きるか死ぬかで、濁りなんか気にしちゃいられなかったみたいです。



結果的に、その水場から10分程歩いたら上野原町の下山口に出れました。

最初の民家が見えた瞬間の嬉しさといったら、もうたまりません。

下山して最初の自販機で、なぜかカルピスを一気飲み。

そして道路に座り、改めてリュックに入っていた先ほど汲んだペットボトルの水を眺めてみます。

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よくもまあ、こんな茶色く濁った水を飲んだものだ...

ただ、あの状況で選択肢はなかったのです。





今回の登山には多くの別れ道がありました。

道も間違えたし判断に迷った場面も多かったですが、結果的に無事帰ってこれました。

結果オーライです。

ただ、心底疲れました。

帰りに高円寺にて焼肉とビールで労いの乾杯。

無事に帰ってこれたからこそ語れる話をしました。

「おれ正直おまえ殺そうとしたからな〜」 とも正直に伝え、笑って済ませました。





これだけは言えることは、

山も人間も、見た目や数字じゃ測れねえってことですね。

改めて、山はイイ。

いろいろ人生を教えてくれます。

これからまた始まるであろう忙しい日々でも、必ず活きることでしょう。



しばらく山はお休みです。



posted by kissi at 21:14| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月19日

北陸冬物語。


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福井


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石川

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富山



冬、北陸。

美しい日本を訪ねて―。


JAPANESE BEAUTY 北陸

JR西日本





東京を含め太平洋側の冬の寒さは表面的で、さむいにはさむいがそれほどでもない。
雪もぱらついてるが、都市の雪には風情がない...

そんなことを感じながらの帰り道、いつもの中央線の車内で見たJR西日本の広告。

冷やりとしたあの感覚がよみがえった。



冬の北陸。
しんしんと降る雪、分厚い雲におおわれた空、静けさ、
そして体の芯から冷えるような寒さ。


冬の北陸は、

寒くて、静かで、

そして 美しい。





京都や奈良だけでなく、JRが今年も行っているキャンペーン

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モデルに杏さんを起用した2008年も、美しいポスターが目を惹きました。

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富山:瑞龍寺

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石川:ひがし茶屋街

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福井:越前温泉







かつて地理的、経済的背景から、
日本海側を “裏日本” と呼ぶ時代があったそうです。

交通の不便さ、経済格差などの歴史...



ただ、決して本質は失わずに、

古来から変わらぬ美しさに彩られた日本の風景。

北陸。





改めて、穏やかにゆっくりと

物語を感じながら巡ってみたいものです。



posted by kissi at 00:32| Comment(4) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月27日

雲をつかむような喜び @ 富士山

自然は人を求めはしないが、人は自然を求める。

そこに確かにある “喜び” のために。







人生で初めて富士山に登った。

前々から登りたいと思っていたのがようやく実現した。

一緒に登ったアウトドア好きのT郎は 「日本で一番高いところへ行くぞ」 と意気込んでいたし、
おれはおれで 「日々の生活から少し離れ、雄大な自然に触れたい」 という欲求を満たす場所を、
あのどっしりと構える富士山に求めた。



まったくの運動不足と準備不足、行ってみないと分からない高山病体質。
また、北海道での登山ツアーの悲劇的な事故や富士山で2人行方不明などのニュースを聞いていたので、
多少の不安はあった。
でも、前日から久しぶりにワクワクするような胸の高鳴りを感じたのと、
T郎が言う 「おれたち元サッカー部やから大丈夫やって」 という
まったく根拠のかけらもない自信に苦笑しながらも同調し、
意気揚々と出発を迎えた。


ただ、そんな浮ついた気持ちは着いた瞬間に消沈。
大雨、強風、霧... 嫌でも気持ちが引き締まった。


14:30- 2310m 五合目吉田口 出発
初日はとりあえず山小屋に夜までに到着すれば良いだけで、時間に余裕があったのでぶらりぶらりと。

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歩き出してすぐに、山の天気はまったく予測不可能と実感。
2分ごとに雨が強まったり止んだり、雲の切れ目は暑く、霧の中は寒い。
T郎は 「頭が痛いかもしれない」 と既に高山病の症状をほのめかすが、
すぐに 「病は気から」 と撤回して元気になる。
ちなみに高山病は気ではどうにもならない。

完全に天気をなめていて雨対策が不足していたため、T郎の防水リュックカバーが羨ましい。
「それおれにくれない?」 と一応聞いてみるが、 「無理」 と即答された。
仕方なく、たまたま入れていた “東京都杉並区指定30Lゴミ袋” をちぎって代用。
大勢の登山客の中、一人だけ大量のゴミを背負っている感じになる。
ただ、これが大活躍。もしなかったら、着替えはすべて濡れていたことだろう。
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17:00- 2800m 七合目山小屋 到着
強風に吹き飛ばされそうになりながら、山小屋に到着。
山小屋とは本当に仮眠を取るだけの場所であり、予想以上に “小屋” であった。
そして、偉そうな番長が仕切っていた。

食事中、番長からこんな言葉が。
「もし深夜の出発時刻になってもこの強風が吹いていた場合、
私はあなた方に “登るのをやめてください” と言います。
つまり、登頂はあきらめてください、という意味です。
毎シーズン、このような強風で登山の中止を決定する日が3日ほどありますが、
今年は異常気象の関係か10回目です。ニュースにもなった通り、大変危険です。
これより上は “暴風” で歩くことは出来ません。
遠方から来ている方もいるとは思いますが、御来光はここからでも見れます。
お願いです、登頂はやめてください。」

それまでの強気な態度は好きになれなかったが、
この時は素直に、番長の経験と人を案ずる気持ちを信じようと思った。
数日前に、たまたま北海道の登山事故を取り上げた朝日新聞の記事を読んでいた。
「自然を相手にする場合、臆病者になる勇気を持つべきだ」
それは、気候条件が悪いにも関わらずツアーの予定を強行した行動に対する批判。
自然の前では人間の勇気は意味を持たない。
臆病者になる、つまり “逃げる” という選択をする勇気が必要だということが、
記事からも番長からも伝わってきた。

そして、とりあえず休むことに。
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一畳に2人寝る。限界まで詰め込まれる。
T郎の隣はがたいの良いレゲエ野郎で、仮眠時間中は体の半分くらい乗りかかられ、
T郎一睡も出来ず。
おれ爆睡。


22:00- 2800m 七合目山小屋 待機
出発予定時刻になっても暴風は止んでいなかった。
時折、山小屋が揺れるほどの風だった。
もちろん、番長は 「やめてください」 と言った。
前よりも強い口調で 「やめなさい」 に近かった。
この時間になると、夜通し泊まらずに登る計画で来た人々や、
高山病でダウンした人が山小屋に避難しにきた。
話し合いの結果、待機。
番長からは 「もし天候が回復した場合はお知らせします。それまで休んでください。」 とのこと。


04:30- 2800m 七合目山小屋 出発

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日が昇る少し前、富士山は優しさを見せてくれた。
番長からもOKが出た。
ただし問題は、帰りの予定時刻。
番長の言葉。
「一般的にここから頂上まで4時間、下山に4時間かかります。
つまりあなた方のツアー予定では、今から頂上を目指すと昼の帰り時刻に間に合いません。
間に合わなかった場合は、自腹で帰っていただきます。
御来光はここからでも見えますし、本八合目から下山ルートがあるので、そちらをお勧めします。
もし頂上を目指される場合は、自己責任でお願いします。」

ここでT郎と相談した結果、日本で一番高い場所を目指すことに。
結論に至った理由が 「おれたち元サッカー部やから行けるやろ」
ここで根拠のない自信が復活。
せっかく天候が味方してくれたのだ。
自然には勝てないが、自分たちの体力と時間ぐらいには挑戦してやろうじゃないか、ということで
当初のように意気揚々と出発。


05:00- 3000m? 七〜八合目 御来光
そして御来光。

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毎日起こっている日が昇るという現象が、これほど有難く感じることはない。
暗く凍える夜に、光と温もりが差し込む瞬間。
誰もが足を止めて振り返る。
上の方からは 「バンザーイ!!」 と叫ぶ声が。
そのおじさんにとって最上級の喜び表現だ。
T郎も自然と両手を挙げている。

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照らし出される幽玄な自然の造形美。
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人間の想像力など到底及ばない、息を呑む美しさ。

空が近い。

しばらくはその場を動けず空に見入っていた。
崖の途中だったため、足を踏み外しそうになったのには焦った。

エネルギーをもらったのは明らかで、改めて頂上を目指して出発。


06:00- 3200m 八合目
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ただ、富士山の厳しさはここから。
注意してさえいれば比較的登りやすかった岩壁が終わり、
植物の姿も見えなくなる殺風景の赤茶色の土道が始まる。
空気が希薄になっていく中、高傾斜の土道は一歩一歩が非常に重い。
酸素スプレーを吸っている人や、道端で頭を押さえて倒れ込む人が増えるのもこの辺りから。
そして、暑さだ。
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元サッカー部の体力などすぐに限界に達したのだが、
「ここまで来たなら頂上に到達したい」という気持ちと、時間制限があることが逆に足を進めさせてくれた。


07:30- 3710m 山頂到達
100mほど上で 「やっほー」 と叫ぶ人々の声が、頂上を知らせてくれた。
「 “やっほー” の声が跳ね返って来ないのは、この高さに並ぶ山がないからやな」 と自慢げに言う
T郎のどーでもいい一言に、普段なら間違いなくケツを蹴り上げていただろうが、
足が疲れていたのと頂上到達が近いことが嬉しくて、聞き流してやった。

山頂で食べるカップヌードルの美味さは格別。
この時ばかりはT郎の準備の良さに感謝。
食後に、高山病を促進させると言われて控えていた煙草を一本だけ楽しむ。
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08:30- 3776m 剣が峰
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富士山頂の火口を一周する “お鉢巡り” の最終到達点 “剣が峰” 。
ここに着く手前の “馬の背” と呼ばれる急斜面が個人的に一番つらかった。
そして、この場所が正真正銘 “日本で一番高い” 地点。
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不思議な喜びが溢れてくる。



ただ、感激している時間もなく下山へ。
なぜなら、帰りの時刻がやばいから。
現在時刻9:00。一般的に下山に4時間かかると言われ、それじゃあ間に合わない。
改めて 「元サッカー部やし行けるやろ」 と変な気合を入れて出発。


そして、走り転げるように4時間かかるところを2時間半で下山。
決して正しい下り方ではなく、危険かつ足に非常に負担がかかるような、
サッカー部なら間違いなくやらないであろう下り方で、しょうもない元サッカー部2人はやりきった。


11:30- 2310m 五合目吉田口 到着
結果的に一時間ほど余裕のある到着になったので、コロッケとビールで乾杯。
表現しようもない達成感と喜びに満ちていた。







人はなぜ山に登るのか?
それがたとえ日本で一番高い場所だろうと、
なぜつらく危険な思いをしてまで登って帰ってくるだけの山に登るのか?
御来光に立ち止まり心打たれ見つめる人々、山頂で見た大勢の笑顔。 何なのか?


人と自然の関係はそんなものだろう。
人は自然の何に対して喜びを感じるのか、なんて説明出来ない。
それほど大きく、捉えどころがないから。


“雲をつかむ”

漠然としていて捉えどころがないことに対して用いる表現だが、

まさに “雲をつかむような喜び” がそこにはあった。


別に富士山に登ったからといって、自分は何かを得たわけでもない。
日本で一番高い場所には、特に持ち帰ってくるような良い物も落ちていなかった。
文字通り “雲をつかむ” ことが出来る場所で雲をつかんでみたものの、
冷やりとした感覚だけで手の中には何も残らなかった。


でも、心にはそれぞれの瞬間に感じた喜び、自然に触れた喜びが確かに残っている。

雨が止んだ、植物を見つけた、岩に座った、光を浴びた、頂上に着いた、   雲をつかんだ…
すべての瞬間に喜びがあった。

そして、人間がどうこうしてもどうにもならないような、大きな自然に触れる喜び。



いま足にはっきりと感じる筋肉痛はすぐに消えてしまうが、
いまも確かに心にある漠然としたこの喜びは、

一生消えることはないと思う。


posted by kissi at 21:02| Comment(3) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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