2010年07月17日

夏の匂いと久石譲。

夏の匂いがしてきた。



久石譲のピアノが聴きたくなる。





ちっさい頃からピアノの音色が好きだった。

親はピアノを習わせたかったらしく電子ピアノが買い与えられていたが、
とにかく外で遊びたかった幼少時代にあまり触れることはなかった。
でも寝る時に、自動演奏のピアノ曲を流しながら眠りについていたのは覚えている。

携帯を持ってからは、毎年決まって梅雨が明けたくらいに、あるピアノ曲に着信音を変えていた。
まるで習慣のように、その時期が訪れると思い出すのだ。
急いで電話に出る必要のないあの頃は、しばらくメロディーを聴いてから出たものだ。

いまでは 自分にピアノが弾けたらなぁ と心から思う。





自分の中で、ピアノといえば久石譲だ。
ピアノの音の違いなんてさっぱり判らないのに、彼の音楽は一番心に染み入ってくる。

なんでだろう。
日本人だから?
ジブリとか北野映画が好きだから?

久石譲の音楽はどのように生まれるのだろう。

以前、R25のインタビュー記事に彼の話が載っていた。



「基本的に感性は信用しない」

「新しい恋や、刺激的な体験によって内面から音楽が湧き上がるのならば、
 逆にいうと、そういうものがない限り新しい音楽はつくれないことになる」

「音楽っていうのは、96%まで技術です。やりたいものがあってもそれをかたちにするには
 徹底した技術力が必要です。それは日々の努力で確実に身につく」

「技術を背景に、頭の中で分析してつくる。
 ギリギリまで理論で押し通し、最後の最後、曲が曲として完成するときには、
 ”1+1=2” にならない部分が出てくるんです。だから、芸術なんですよね」

R25 2009.09.17 Vol.251



音楽家というのは、いわゆる “天才” かとばかり思っていたが、そうではないらしい。
そういえば分野は違えど、イチローも本田圭祐も同じようなこと言ってたな。

久石譲の音楽は、彼の長年培った “技術” によって生み出される。
つまり、本当の “プロフェッショナル” なのだ。





しばらくピアノなんて聴いてないなーという方に向けて
独断で 「久石譲 ピアノ名曲ランキング」 を選んだので、
忙しい毎日の中でたまにはくつろぎながら聴いてみてほしい。

※あくまでも原曲がピアノ主体の作品で、ジブリの超名曲ピアノver的なやつは外しましたので、ジブリファンの皆様ご了承ください



≪久石譲 ピアノ名曲ランキング BEST10!≫


第10位: Oriental Wind ―CM「サントリー伊右衛門」より YouTube試聴

第9位: 鳥の人 ―映画「風の谷のナウシカ」より YouTube試聴

第8位: Feel ―映画「Dolls」より YouTube試聴

第7位: 帰らざる日々 ―映画「紅の豚」より YouTube試聴

第6位: 旅情  YouTube試聴

第5位: あの夏へ ―映画「千と千尋の神隠し」より YouTube試聴

第4位: Asian Dream Song  YouTube試聴

第3位: アシタカとサン ―映画「もののけ姫」より YouTube試聴

第2位: 銀河鉄道の夜



第1位: Summer ―映画「菊次郎の夏」より






第1位は、誰がなんと言おうと自分の中でこの曲。

この曲は自分にとって “リマインダー” のようなもの。

忘れかけていた大切なこと、風景、時間を思い出させてくれる。

コメント欄のように、この曲は多くの人の心にそれぞれの風景を描いてくれるはずだ。

いまの小中学生くらいの子供たちが大きくなってこの曲を聴いたとき、

大切な夏の風景が心に浮かぶような社会であり続けてほしいな と心から思う。





自分はというと、残念なことにいま携帯の着信音を "Summer" にゃできないし、
今年の夏は田舎に帰れるかもまだわからない...





でも

今年の夏も

久石譲のピアノでも聴きながら

今年は今年の夏を感じようと思う。

そして、またいつかの夏に思い出すのかもしれない。





あー



夏だ。

posted by kissi at 00:36| Comment(0) | TrackBack(0) | Music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月06日

ハロー、ワーク。 ハロー、ブラインドワールド。

「こんにちは、お仕事」

誰がつけたのか、この愛称。

手続きのため初めて足を運んだが、

そんな愛嬌のカケラもない、巨大で冷たい印象の建造物内23階。

ハロー、ワーク。

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ニュースで見たとおり、人でいっぱいだった。

「こんにちは、お仕事」 とはいうものの自分でパソコンから探すわけで、

そこにある数十台のパソコンは、もちろん空席なし。

他の人の動きには目もくれずパソコンを見つめる人たちの周囲の壁には 「置引きに注意!」 の文字。

多くの人であふれているはずの空間は、不思議と病院の雰囲気に似ていた。



その後の会議室での説明会。机が一体化した窮屈なイスに座り、約2時間。

担当のおねえさんは淡々と事務的な説明を終えた後、

「みなさんが一日も早くお仕事に就けるよう全力で応援させていただきます」 と顔色ひとつ変えずに言った。

そして受講者はずっと顔色ひとつ変えずに聞いていた。





あまりにも窮屈だったため、ちょっと体勢を変えたときにペンケースの中身がバラバラと落下...

ビーチサンダルを履いた自分の足下に散らばったペンを拾おうと手間取っていると、

隣のおじさんが身をかがめて拾うのを手伝ってくれた。

スーツを着て歳は40〜50くらいのそのおじさんは、無言でペンを手渡してくれるとき、笑顔だった。

少し呆れたようなその笑顔は、

ビーサンを履いたマナーの悪い騒がしい若者をなだめる大人の表情なのか、

それとも純粋なおじさんの優しさが滲んだのか...

いずれにせよ、今日初めて見たその人間臭い笑顔に、

ほっ とした。





説明会が終わり、スタンプをもらうため当然のように無言で列をつくる人たち。

ロボットのようだった。

そして自分も、一言も発することなく手続きを終えてビルを出た。

結局 「こんにちは」 も言うことはなかった。





帰りの新宿駅構内。

相変わらずの人、人、人...

何かに憑かれたように無言で一点を見つめ足早に歩く人々。

ぶつかりそうでぶつからない。

不思議と静寂につつまれた世界。

ハロー、ブラインドワールド。

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高円寺駅を出ると、今日も消費税引き上げに反対する選挙カーの演説が行われている。

熱弁をふるう候補者の目は、社会全体ではなく、おそらく対立政党を陥れることしか見ていないのだろう。

「消費税の増税に反対!(おれも困る!)」

でも 「じゃあ日本の財政は誰がどうするんだ?(詳しいことはわからないけど...)」

そんなことっていっぱいある。

でもいまの社会で仕事をするって、少なからずそういうことなんだと思う。

何かを求めれば、何かは見えなくなる。 いや、見ないようにする。





ハロー、ワーク。

ハロー、ブラインドワールド。





Take Me Somewhere Nice...




posted by kissi at 23:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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